看護師の疲労の原因としては、やはりまず肉体的な疲労が多いことがあげられます。看護師は現在でもそのほとんどが女性ですが、実際の仕事は意外と力を使うことが多く、男性でもきついと感じる事もあります。特に、患者さんを動かすような時は足腰にも負担がかかり、下手をすると腰を痛めてしまいます。最近ではボディダイナミクスに基づいた負担の少ない方法が考案されていますが、それでも腰痛は看護師の職業病とも呼ばれています。さらに、病院内での移動も多く、忙しい時にはずっと駆けずり回っていることもあります。そのため、単純な肉体疲労も激しく、仕事が終わるといつもヘトヘトという状態です。また、勤務時間も長くなかなか定時で帰れることも少ない職場もあり、家で十分疲れを取ることができなくなってしまうという話もよく聞きます。
また。、看護師の仕事はその大部分が対人的なものになります。他の対人サービス業でもそうですが、不特定多数の人に対応するのは精神的に大変なことです。看護師にとっての主な相手は患者さんですが、他にも医師や患者さんの家族などいろいろな人に対応しなくてはなりません。患者さんは「お客様」とは少し違いますが、それでも応対には気を遣う必要があります。そして中にはいつも自分勝手な事を言ったり、事あるごとにクレームをつけてくるような人もいます。そういう人たちに対応するだけでも疲れてしまう上に、普段から薬品や器具の取り扱いなど気をつけなくてはいけない事も多い仕事です。そのせいか、精神的なストレスを抱えてしまう人も多く、職場での人間関係が悪くなる一因にもなっています。精神的な疲労は単に体を休めたからといって回復するものではなく、問題の根本を解決する必要もある難しい問題です。