よく言われることですが、看護師の仕事はとても大変です。肉体的にも精神的にも多くの負担があり、仕事の疲れもたまっていくばかりです。さらに、勤務時間が長く不規則なこともあってなかなかゆっくり休むこともできません。特に夜勤のある職場では生活逆転してしまったり、時間外の委員会や勉強会で休む時間を削られてしまう事もあります。そのため、休日や勤務時間外にたまった疲労を十分取ることができず、慢性疲労に陥っている人も少なくありません。
また、家庭を持っている看護師であれば家に帰っても子育てや家事などをしなくてはならず、さらに大変になってきます。普通の仕事でも子育てと仕事の両立はとても大変ですが、看護師の場合はより負担が大きくなります。休みの日は子供を保育園に預けたらずっと寝ているだけという人も多くその苦労が感じられます。たとえ子供がいなかったとしても、家庭に戻った看護師には家事の負担も大きくのしかかってきます。例えば、ある看護師さんは勤務中はとてもテキパキと仕事をこなしていますが、家に帰るとなかなか家事がはかどらないそうです。家では気が抜けてしまうのか、疲れが出てしまうのか、少しも家事がはかどりません。洗い物や、掃除・洗濯にもなぜか時間がかかってしまいます。ご主人からは「それで本当に看護師が勤まるのか」と言われてしまうこともあるそうですが、どうしてもダラダラしてしまうということです。
この方の場合は、家事をある程度ご主人がやってくれるそうなので余計に気が抜けてしまうのかもしれません。しかし、日本では現代でも「家事は女性の仕事」という風潮が強く残っていて、どんなに疲れて帰って来ても家事をやらなくてはならないという話もよく聞かれます。このように看護師の慢性疲労の原因にはそういった家庭の事情も関係してきますが、ここからはその主立ったものを中心に見ていきたいと思います。